入れ歯を入れることは
咬む機能を高めるだけでなく、
お口の中や身体の健康にも
良い影響を与えます。
Good influence
「入れ歯で食事を食べること、痛みが出たり外れたりするので大変そう」
「入れ歯がなくても食事ができているから大丈夫」など、患者様の中には入れ歯を入れることに抵抗がある方もいらっしゃいます。しかし、失った歯を補うために入れ歯を入れることは、噛む機能の回復だけでなく全身の様々な部分に良い影響をもたらすことが明らかになっています。咬むことによって唾液の分泌がよくなるため、食べ物の消化を助けてくれます。
また、唾液にはお口の中を清潔にする働きや歯を再石灰化する機能があり、口腔内の健康を保つ重要な役割を果たしています。
また、咬むことによる刺激が、頭やあごの骨、顔の筋肉の発育を促すことで、表情豊かな顔をつくり、大脳の働きを活性化します。その他にも、ハッピーホルモンと呼ばれている「セロトニン」の活性化や、硬いものを咬み砕くことはストレス解消になるなど、様々なメリットが報告されています。
歯を失ったまま放置すると
こんなリスクがあります
Risk of losing teeth
- 抜けた部分の両隣の歯が傾いたり、移動したりすることがある
- 咬み合っていた歯が抜けることにより、残っている歯が抜けた歯のスペースに伸びてくる
- 咬み合わせが悪くなり、肩こりや顎関節症などの原因を引き起こす
- 歯と歯の間が広がるため、食べ物が詰まりやすくなり、汚れがたまりやすくなる
- 歯がない部分は口元のハリがなくなるため、老けて見える
- 言葉を発する際に息漏れなどがあるため、発音がうまくできなくなる
- 食べ物がしっかり噛めないまま飲み込むため、胃腸に負担がかかる
歯を失った時の治療法
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入れ歯
歯を失った部分の歯ぐきの上に、取り外し可能な人工の歯を入れて補う治療法です。
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ブリッジ
ご自身の残っている歯を土台にして、歯を失った部分に橋をかけるように被せ物の歯を入れる治療法です。
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インプラント
歯が抜けた部分の顎の骨に人工的な根っこを埋め込み、その上に被せ物を取り付けることで噛み合わせを回復する治療法です。
入れ歯の種類
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金属床義歯
歯肉に触れる部分が金属で加工された素材で作られた入れ歯のことで、温度を感じることができ、装着した際の違和感も少ないという特徴があります。
メリット
- 入れ歯の厚みが薄いので
違和感が少ない - 金属を使用しているので
割れにくい - 熱伝導が良く食事の時に食べ物の温度を感じることができるため、食事を楽しむことができる
- 汚れや臭いが付きにくく、
清潔に保ちやすい
デメリット
- 保険適応ではないため
値段が高額 - 金属アレルギーを起こす
可能性がある - 修理が難しく、時間がかかる
場合がある
- 入れ歯の厚みが薄いので
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スマイルデンチャー
金属を使わず、透明感と柔軟性のある素材を使用した入れ歯です。見た目の違和感がなく、装着感も良いのが特徴です。
メリット
- 金属を使わないため、
入れ歯だと気づきにくい - 装着時の違和感が少ない
- 強度があるため義歯の厚みを
薄くすることができる - 柔軟性と透明感がある素材を
使用しているため、
歯肉になじみやすい - 金属アレルギーを起こさない
デメリット
- 保険適応外のため、
費用が高額 - 柔軟性のある素材で作られて
おり修理が困難なため、
定期的に作り変える必要がある - 使っているうちにフック部分が
緩くなったり摩耗したりする
- 金属を使わないため、
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レジン床義歯
歯科用レジン(プラスチック)で作られた保険適応の入れ歯です。
メリット
- 保険適応のため安価で
作ることができる - ほとんどの症例に適応できる
デメリット
- 厚みがあるため
口腔内の違和感があり、
話しづらいことがある - 食べ物の温度が伝わりにくい
- 割れたりひびが入ったり、
変形する可能性がある - 汚れや着色、臭いがつきやすい
- 保険適応のため安価で
Flow 入れ歯治療の流れ
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カウンセリング
お口の中の状況は、患者様一人ひとり異なります。入れ歯に関するお悩みやご要望をしっかりお伺いします。
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検査・治療計画の説明
現在のお口の中の状態を細かく検査し、その結果に基づいて今後の治療計画をご説明します。
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印象
まずはお口の型取りを行い、模型を作成します。患者様一人ひとりに合わせたオーダーメイドの専用トレーを作成し、より精密な型取りを行います。
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試適
ワックスでできた入れ歯を用いて、上下の咬み合わせや、あご・関節の位置、歯の並びや高さなどを細かくチェックし決めていきます。
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完成
試適の状態の入れ歯をお口の中に入れて、見た目や咬み合わせ、発音などをチェックし、問題がなければ技工所で義歯を作成し完成です。
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調整
完成した入れ歯をお口の中に入れ、咬み合わせや歯ぐきに強く当たる部分がないかなどチェックしていきます。新しい入れ歯は、ご自身のお口にピッタリ合うまで何度か調整が必要です。
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メンテナンス
お口の中にピッタリ合っている入れ歯も、歯ぐきがやせてきたり体重の変化によって合わなくなったりすることがあります。歯や歯肉の状態や入れ歯の状態を定期的にチェックし、メンテナンスをすることによりお口の中の健康を保つことができます。
なるべく早く歯を補いましょう Complement
入れ歯を入れて歯のない部分を補うことは、ものを噛むことだけでなく様々なメリットがあります。
歯の本数と「健康年齢」は比例するといわれており、入れ歯を入れて「噛む」機能を保っている方は、義歯を入れていない方と比較すると、認知症の発症や転倒のリスクが低く、要介護になる可能性が低いことが明らかになってきています。失った歯を補い、噛めるようにするということは、健康の維持・増進や病気の予防にもつながるのです。